Cursorとは何か

Cursorは、VScodeのフォークとして作られたAI統合コードエディタだ。見た目や操作感はVSCodeとほぼ同じだが、AIとのやり取りがエディタに深く組み込まれている点が違う。既存のVSCode拡張機能はそのまま使え、設定の移行も数クリックで完了する。

2024年にエンタープライズ向けの採用が急増し、2025年には個人開発者にも広く普及した。「AIコーディングツール」の代名詞として語られることが多い。

主な機能

Tab補完

GitHub Copilotに似た補完機能だが、Cursorの補完はより文脈を読む。単なる次の行の予測ではなく、複数行にまたがる変更を一括で提案してくれる。たとえば関数の引数を変えたとき、それに応じて関連する呼び出し箇所の修正まで一度に提案するといった動作が特徴だ。

Chat機能

サイドパネルで開くチャット機能では、開いているファイルやカーソル位置のコードを自動的にコンテキストとして読み込む。「この関数の動作を説明して」「ここのパフォーマンスを改善する方法は?」といった質問に、コードを参照しながら答えてくれる。

Composer(エージェントモード)

Cursorの最大の強みがComposer機能だ。複数のファイルにまたがる変更をAIが自律的に行う。「認証機能をこのリポジトリに追加して」というような指示を出すと、必要なファイルを作成・編集し、変更内容をdiff形式で確認させてくれる。受け入れるかどうかは自分で判断できる。

@メンション

チャットの中で@ファイル名@フォルダ名@ドキュメントを使って特定のリソースを参照に含められる。外部ドキュメントのURLも@で指定できるため、ライブラリの公式ドキュメントを読ませながら実装を頼む、といった使い方ができる。

使えるAIモデル

Cursorは複数のLLMを切り替えて使えるのが大きな特徴だ。2025年時点で選択できる主なモデルは以下の通り。

  • Claude 3.5 Sonnet / Claude 3.7 Sonnet
  • GPT-4o / GPT-4.1
  • o3 / o4-mini
  • Gemini 1.5 Pro

実際の開発現場では、補完にはClaude 3.5 Sonnet、複雑なアーキテクチャの相談にはo3といった使い分けが定着しつつある。

Claude Codeとの違い

CursorとClaude Codeはどちらも「AIを使ったコーディング支援」だが、アプローチが根本的に異なる。

Cursorはエディタそのものなので、コードを書きながらAIを使うスタイルだ。人間が主導権を持ち、AIが提案を出す形が基本になる。視覚的なdiff確認やGUIでの操作が中心のため、コーディングに慣れていない人にも使いやすい。

一方のClaude Codeはターミナルで動き、エージェントとして自律的に動作する。「タスクを渡して待つ」スタイルで、人間の介入が少ない分、長い作業を一気に処理させるのに向いている。どちらが優れているかというより、作業のスタイルや好みによって使い分けるのが現実的だ。

導入方法

Cursorの公式サイト(cursor.com)からインストーラーをダウンロードしてインストールするだけで使い始められる。既存のVSCode設定をインポートする選択肢が最初に出てくるので、移行はスムーズだ。

料金は無料プランでも月200回のリクエストが使えるため、まず試すには十分な量だ。本格的に使うならProプラン(月20ドル)が現実的な選択になる。

実務での活用例

たとえばWebマーケチームのエンジニアがレポート自動生成スクリプトを書く場合、Cursorを使うと既存のデータ取得ロジックを参照させながら「このデータをCSVに書き出す処理を追加して」と指示できる。コードを理解していなくても変更のdiffが視覚的に確認できるため、レビューがやりやすい。

またTypeScriptのtypesファイルを渡して「このインターフェースに合ったフォームコンポーネントを作って」といった使い方も実務でよく見られる。

まとめ

Cursorは、VSCodeの使い勝手を維持しながらAIをエディタに深く組み込んだツールだ。Composerによるマルチファイル編集は特に実用的で、一度使うとなしには戻りにくい。まずは無料プランでインストールして、普段の開発に組み込んでみるのがおすすめだ。