提案書作成に「2日」かけているなら変え時だ

士業やコンサルタントにとって、新規顧客への提案書は受注の分岐点になる重要な書類だ。しかし「完璧な提案書を作ろう」とするあまり、1件の提案に丸2日かけてしまうこともある。

AIを使えば提案書の「骨格」と「言葉」を30分で仕上げ、残りの時間をクライアント理解と提案内容の質向上に使えるようになる。この記事では、弁護士・税理士・コンサルタントが実際に使っている提案書作成のAIフローを紹介する。

提案書の「何を」AIに任せるか

提案書の構成要素はおおよそ以下の通りだ。

  1. 表紙・概要
  2. 課題の整理(クライアントの現状と問題点)
  3. 解決策の提案(自社のアプローチ)
  4. 実施スケジュール
  5. 費用
  6. 会社・担当者の実績紹介

このうち2〜4の「文章を書く」部分はAIが得意な領域だ。1の表紙、5の費用、6の実績紹介は担当者が管理する情報を入れるだけで、AIに任せる必要性は低い。

30分で仕上げる実際のフロー

ステップ1(5分): ヒアリング内容をメモにまとめる

打ち合わせ後、クライアントの課題・要望・状況を箇条書きでメモする。完全な文章である必要はない。このメモがClaudeへのインプットになる。

ステップ2(10分): 課題整理セクションをClaudeで生成する

以下のヒアリングメモをもとに、提案書の「現状と課題」セクションを作成してください。
クライアントはこの内容を見て「的確に理解してもらえた」と感じるような文章に。
構成:現状の説明(3文)→ 課題の特定(2〜3点の箇条書き)→ 放置した場合のリスク(2文)
[ヒアリングメモを貼り付け]

出力を確認し、的外れな部分があれば「〇〇の点は実際と違うので修正してください」と追加指示を出す。

ステップ3(10分): 解決策セクションを生成する

先ほどの課題に対する解決策のセクションを作成してください。
自社のアプローチ:[自分たちが提供するサービスの概要を2〜3文で]
以下の構成で:
・解決策の全体像(1段落)
・具体的な実施内容(箇条書き3〜5点)
・期待される効果(2〜3点)
提案書らしい丁寧な文体で。

ステップ4(5分): スケジュールセクションを生成する

以下のサービス内容に基づいて、3か月の実施スケジュール案を作成してください。
[実施内容と期間の概要]
フェーズ1〜3に分けて、各フェーズのタスクを箇条書きで。
Ganttチャートはなくて良い。テキストの箇条書き形式で。

ステップ5(10分): Word/PowerPointに流し込んで整える

Claudeが生成したMarkdownをWordに貼り付け、社内テンプレートのスタイルを適用する。表紙と費用ページは別途作成。全体をプレビューして最終確認。

士業別のポイント

弁護士の提案書

法律問題の解決を提案する場合、「どういう法的根拠で解決するか」の説明部分は担当弁護士が書く必要がある。AIに「この問題の法的解決策の概要を一般的に書いてほしい」と頼めるが、個別案件への法的見解はAIに書かせない。AIが使えるのは「表現の整理」「文章の丁寧さの調整」「スケジュールのたたき台」などの部分だ。

税理士の提案書

税務の提案では「節税効果の試算」が提案書の核になることが多い。この数字はAIに計算させず、担当税理士が計算した結果を提案書に盛り込む。AIの役割は「その数字を分かりやすく伝える文章を書く」ことだ。

コンサルタントの提案書

コンサルタントの提案書は「課題設定の深さ」と「解決策の独自性」が差別化ポイントになる。AIは汎用的な解決策を出す傾向があるため、「業界特有の観点」「クライアント固有の状況」を加筆することで提案書を独自のものにする作業は人間が行う。

提案書の品質を担保するチェックリスト

Claude生成の提案書を送る前に以下を確認する。

  • クライアントの名前・社名が正しく入っているか
  • 課題の認識がヒアリング内容と一致しているか
  • 自社が提供できるサービスの範囲を超えた約束をしていないか
  • 費用と期間が現実的か
  • 読んで「自分事」として感じられる内容になっているか

最後の確認は「クライアントの立場で読み直す」ことで、AIが生成した汎用的な表現が残っていないかを見極める。

まとめ

AIを使った提案書作成は「考える時間」は減らさず「書く時間」を削る。クライアントの課題理解と解決策の本質的な価値は人間が考え、それを文章にする作業をAIに任せることで、提案の質を落とさずに制作時間を大幅に短縮できる。まず次の提案書の一つのセクションだけClaudeに試しに書かせてみることから始めてほしい。