広告コピーの量産で最初に突き当たる壁
Google広告を運用していると、「コピーのバリエーションが足りない」という課題に早く気づく。レスポンシブ検索広告(RSA)では見出しを最大15本・説明文を最大4本登録できるが、意味のあるバリエーションを手で全部書くのは思いのほか重労働だ。
Claudeを使えばこの量産作業を大幅に短縮できる。ただし「コピーを書いて」と丸投げしても、使えるものは出てこない。広告コピーには文字数制限・キーワードの含め方・ベネフィットの順番など、知っておくべき制約がいくつかある。それを踏まえたプロンプト設計が、品質を落とさない量産の鍵だ。
Google広告の基本制約をClaudeに渡す
プロンプトの冒頭で制約条件を明示することが最初のポイントだ。Claudeは文字数を正確に数えるのが苦手なため、制約を渡しても超過することがある。最終チェックは人間が行う前提で、まず制約を明示する。
Google レスポンシブ検索広告のコピーを作成してください。
【制約】
- 見出し:全角15文字以内(半角30文字以内)
- 説明文:全角45文字以内(半角90文字以内)
- 見出しには自然な形でキーワードを含める
- 広告ポリシーに違反する誇大表現は使わない
【商品/サービス情報】
- 商品名:[商品名]
- ターゲット:[誰向けか]
- 強み・ベネフィット:[箇条書きで3〜5点]
- 訴求したいキーワード:[例:キッチンリフォーム 東京]
この形式でインプットを揃えると、Claudeが制約を把握したうえでコピーを生成する。
訴求軸別に分けて量産する
A/Bテストで意味のある比較をするには、訴求軸が違うコピーを作ることが大前提だ。同じベネフィットを言い方だけ変えても、テストの学びは少ない。
訴求軸を事前に整理して、軸ごとにClaudeに生成させる方法が効果的だ。
訴求軸の例(キッチン用品メーカーの場合)
- 品質軸:「素材・耐久性・プロ仕様」など品質の高さを訴求
- 価格軸:「コスパ・期間限定・まとめ買い割引」
- 体験軸:「料理が楽しくなる・時短・洗いやすい」
- 信頼軸:「販売実績◯万個・累計レビュー4.8」
- 緊急性軸:「在庫わずか・今だけ送料無料」
プロンプトに「以下の訴求軸で見出しを3本ずつ作成してください」と軸を明記することで、軸がばらけたバリエーションが得られる。
出力フォーマットを固定する
Claudeの出力フォーマットを固定すると、Googleの広告管理画面へのコピー貼り付けが楽になる。
以下のフォーマットで出力してください:
【見出し】
1. (テキスト)
2. (テキスト)
3. (テキスト)
...
【説明文】
1. (テキスト)
2. (テキスト)
...
各項目に(X文字)と文字数を添えてください。
このフォーマットを固定しておくと、レビュー時に文字数チェックがしやすい。超過しているものは人間が修正する。
A/Bテストへの組み込み方
Claudeで生成したコピー候補を、どうA/Bテストに組み込むかを整理する。
テストの設計方針
RSA(レスポンシブ検索広告)では、Googleが自動的に組み合わせを試してくれる。ただし「どの組み合わせが効いたか」の分析は、手動でも確認が必要だ。
Claudeを使ったテスト設計プロンプト:
以下の訴求軸A・Bの見出しをそれぞれ5本ずつ生成してください。
後でA/Bテスト結果を分析するために、各見出しが「どの訴求」を表しているかも記載してください。
訴求A:品質・耐久性
訴求B:時短・使いやすさ
こうして軸ラベルつきで管理すると、テスト後に「時短訴求のCTRが品質訴求より1.3倍高かった」という学びを素早く言語化できる。
テスト結果のフィードバックをClaudeに渡す
一定期間のテスト結果をClaudeに渡して、次のコピー改善に活かすこともできる。
以下のGoogle広告コピーのA/Bテスト結果を参考に、改善案を生成してください。
[勝ちパターンのコピーとCTR]
[負けパターンのコピーとCTR]
勝ちパターンの特徴を分析し、その要素を活かした新しい見出し案を5本作成してください。
このループを繰り返すことで、Claudeがだんだん「自社の広告で効くパターン」を学習した状態で使えるようになる(実際には毎回コンテキストを渡す必要があるが、効果は出る)。
品質管理で外せないチェックポイント
Claudeのコピーをそのまま入稿するのは避けるべきだ。最低限、以下の点を確認する。
- 文字数が制限内に収まっているか
- キーワードが自然に含まれているか(不自然な詰め込みになっていないか)
- 競合他社名や誇大表現が含まれていないか
- 自社のトーンと合っているか(丁寧語・カジュアルなど)
士業の広告の場合は、「No.1」「最安値」「絶対」などの表現が景品表示法や各業界のガイドラインに触れる可能性があるため、特に注意が必要だ。
まとめ
ClaudeでGoogle広告コピーを量産するには、「制約を明示する→訴求軸別に生成する→フォーマットを固定する→テスト結果をフィードバックする」という型を持つことが肝心だ。丸投げではなく、人間が設計した枠の中でClaudeに動いてもらう。この型さえ確立すれば、広告コピーの初稿作成にかかる時間を大幅に削減しながら、バリエーション数を増やせる。