会議が終わったあと、誰かが「議事録書きます」と言う。その人は次の会議まで1時間かけてノートを整理し、チャットで共有する——そういう光景は、もうなくしていい。

Zoomの文字起こし機能とAI要約を組み合わせると、会議終了の数分後には要点・決定事項・アクションアイテムが自動で出力される。完璧ではないが、人が一から書くよりずっと早く、ずっと均質だ。

ZoomのAI要約は何ができるか

Zoom AIコンパニオン(旧IQ機能)は、録音・文字起こし・要約をセットで提供する。会議中にホストが録音を開始するだけで、終了後に以下が自動生成される。

  • 会議の概要サマリー
  • 決定事項のリスト
  • 次のアクション(誰が・何を・いつまでに)
  • 章立てされた文字起こし全文

Zoom Workplaceの有料プランであればAIコンパニオンは追加料金なしで使える。ただし、ホストのアカウントに機能が有効化されている必要がある。管理者設定で「AIコンパニオン」をオンにするまで表示されないので、まずそこを確認する。

設定の流れ——3ステップで終わる

管理者ポータル(admin.zoom.us)にログインし、「AIコンパニオン」の項目を探す。アカウント設定から有効化し、文字起こし言語を日本語に設定する。これだけだ。

次に会議のホストとして録音を開始するとき、クラウド録音を選ぶ。ローカル録音では要約が生成されない。クラウドに保存された録音データをもとにAIが処理する仕組みなので、ここは間違えないようにしたい。

会議終了後、数分で登録メールアドレスに要約レポートが届く。Zoomのウェブポータルからも確認できる。

実際に使って気づいたこと

3ヶ月ほど社内会議で使い続けて、正直なところを書く。

文字起こしの精度は思ったより高い。静かな環境でマイクが良ければ、誤字は全体の2〜3%程度に収まる。問題になるのは固有名詞と専門用語で、製品名やプロジェクト名は誤認識されやすい。最終確認は必要だが、ゼロから書くより圧倒的に速い。

要約の品質については、会議の構造次第で大きく変わる。議題が明確で発言者が順番に話す会議は精度が高い。雑談が多かったり複数人が同時に話したりすると、要約もぼんやりする。AIの出力品質は、会議の質をそのまま反映する。

アクションアイテムの抽出は、発言のなかに「〇〇さんが〜します」「来週までに〜を確認」といった明示的な表現があると精度が上がる。ファシリテーターが「では、田中さんに確認をお願いします」と明言する習慣があると、AIが拾いやすくなる。

議事録を「使えるもの」にするための運用ルール

AIが生成した要約をそのままSlackに貼るのは、あと半歩足りない。確認してから共有する、という習慣は残した方がいい。所要時間は5分以内だ。

チームで決めておくと効果的なのは、要約の確認担当を持ち回りにすること。議事録作成の属人化を防ぎつつ、全員がAI出力に慣れていく。

共有先はZoomの要約リンクをそのまま送るか、Notionなどのドキュメントツールにコピーして保存する。検索性を持たせるなら後者の方がいい。

Zoom以外の選択肢との比較

NotionAI、Microsoft Copilot、Fireflies.aiなど、会議要約ツールは複数ある。Zoomネイティブの機能の強みは、追加ツールを入れずに済む点と、参加者への導線がシンプルな点だ。

Firefliesのようなサードパーティツールは多機能だが、ボットが会議に参加するため参加者から質問されることがある。内部会議では問題ないが、クライアントを交えた商談では使いにくい場面もある。Zoomネイティブならその摩擦がない。