ChatGPTに「いい感じの文章を書いて」と頼んで、がっかりした経験がある人は少なくないはずだ。でも同じツールを使って、驚くほど精度の高いアウトプットを引き出している人もいる。この差はAIの性能ではなく、プロンプトの書き方にある。
プロンプトエンジニアリングという言葉は聞いたことがあっても、実際には何をすれば良いのかわからないままの人が多い。この記事では、難しい理論ではなく「うまく使える人が自然とやっていること」に絞って整理する。
役割と目的を最初に宣言する
AIに何かを頼む前に、「誰として答えてほしいか」と「何のために使うか」を伝えると、出力の質が一段上がる。
例えば「採用担当者として、新卒向けの求人票を書いてください。目的は優秀な理系学生に応募してもらうことです」という書き出しにするだけで、AIの応答は大きく変わる。役割を与えることで、AIが選ぶ語彙や論理の組み立て方が変わるからだ。
「何かいい感じに書いて」は、相手に判断をすべて委ねている。判断材料を与えれば与えるほど、返ってくるものが具体的になる。
出力形式を指定する
「箇条書きで3つ」「300字以内で」「表形式で」——この一言を加えるだけで、出力を自分の用途に合わせやすくなる。
AIはデフォルトで「説明的な長文」を好む傾向がある。それが不要なら、最初から形式を指示する方が早い。「マークダウンで書いて」「HTMLのリスト形式で」といった具体的な指定も有効だ。
出力形式の指定は、AIへの「遠慮」を捨てることでもある。細かく言いすぎかな、と思うくらいが実はちょうどいい。
「悪い例」を見せると精度が上がる
やってほしいことだけでなく、「やってほしくないこと」を明示するのも効果的だ。
「ありきたりなキャッチコピーは避けてください」「〜することができます、という表現は使わないでください」という制約を加えると、AIは除外すべきパターンを学習した状態で生成に臨む。
さらに一歩進めて、「これはNGの例です:〇〇〇〇」と具体的なサンプルを見せると、より精度が高まる。良い例と悪い例を両方示す「few-shot prompting」は、プロが日常的に使っている手法だ。
一度に全部頼まない
ひとつのプロンプトで完璧な成果物を出そうとするのは、難しい。うまく使っている人は、複数のやり取りに分けて作業している。
まず構成案を出させる。それをレビューして修正する。修正した構成で本文を書かせる。本文をトーンチェックする——このように段階を踏むと、最終的なアウトプットの精度は上がる。
「全部一発で」という期待を手放すと、AIとの作業が途端にやりやすくなる。
コンテキストは惜しまず渡す
「読者は30代の会社員で、副業に興味があるが時間がない」「この文章はメルマガに使う予定で、文体はカジュアルにしたい」——こうした背景情報を渡すほど、AIの出力は目的に合ったものになる。
AIは与えられた情報しか持っていない。知らせなかったことは考慮されない。「察してほしい」は通じない相手だと割り切って、必要なコンテキストはすべて文章にして渡す習慣をつけると良い。