「AIで仕事がなくなる」という話は、もう何年も聞き続けている。ただ、実際にAIを仕事で使い始めてから、自分の中の景色がかなり変わった。結論を先に言うと、なくなる仕事はある。でも、それは「AIのせい」というより、AIを使いこなせるかどうかの差が開いた結果だと思っている。
「AIに仕事を奪われる」は本当か
正直に言えば、半分本当で半分的外れだと感じている。
たとえばライティングの世界。以前なら1本2〜3万円で請け負えていた「情報まとめ記事」の案件は、確かに減った。クライアント側がAIで下書きを作れるようになったから、そこに外注費を払う理由がなくなった。これは現実だ。
でも一方で、自分が受けている仕事の単価は上がっている。戦略を考えること、読者の感情を動かすこと、ブランドの空気感を文章に乗せること。そういう仕事はAIだけでは代替しにくく、むしろ「AIで書いた文章を人間がブラッシュアップする」という工程の需要が生まれている。
フリーランスが実際に感じている変化
ここ1〜2年で、自分の働き方は明確に変わった。
時間がかかっていた「調査」「構成案の作成」「初稿」の工程をAIに任せるようになって、1日にこなせる仕事量が増えた。同じ時間で以前の2〜3倍のアウトプットが出せる。これは単純に売上に直結した。
その分、削られたのは「量をこなすだけの仕事」だ。単価が低く、スキルの蓄積にもならなかった仕事が消えた。これを「奪われた」と捉えるか、「解放された」と捉えるかは人によって違う。自分は後者に近い感覚だ。
恐怖論が広まる理由
「AIで仕事がなくなる」という言説が繰り返されるのには、理由がある。恐怖はクリックされやすい。メディアも、コンサルも、セミナー主催者も、危機感を煽るほうが人を集めやすい。
実際のところ、AIが人間の仕事をすべて代替するにはまだ時間がかかる。今のAIは「それっぽい文章を作る」のは得意だが、「クライアントの本音を引き出す」「信頼関係を築く」「トラブルをその場で判断して対処する」といったことは苦手だ。
個人事業主の仕事の多くは、そういうグレーゾーンの積み重ねでできている。
それでも備えておくべきこと
楽観的すぎるのも違う。AIの進化は速く、今「人間にしかできない」と思っていることが、2〜3年後には変わっているかもしれない。
自分が意識しているのは、一つのスキルに依存しないことだ。ライターであれば、文章を書くだけでなく、戦略を考えられること、数字を読めること、クライアントと対等に話せること。そういった複合的な価値を持つほうが、AIとの差別化が長持ちする。
あと、AIを「使う側」に回ることも大事だと感じている。ツールとして使いこなせる人間と、使いこなせない人間の間には、今後ますます差がつく。