Lovableとは何か

Lovableは「GPT Engineer」として知られていたプロジェクトが改名・進化したAI Webアプリビルダーだ。プロンプトを入力するだけでReactベースのWebアプリを生成し、Supabaseとのネイティブ統合によってデータの永続化まで対応できる点が、Bolt.newとの大きな差別化ポイントだ。

UIの完成度が高く、見た目のクオリティにこだわる場合にLovableを選ぶユーザーが多い。

実際に使った事例:キッチンメーカーのメニュー管理アプリ

キッチン設備メーカーのスタッフがShowroomで使う「料理デモのメニュー管理アプリ」をLovableで作った話を聞いた。内容は以下のような要件だ。

  • 料理のメニューを登録・編集・削除できる
  • 使用するシステムキッチンの設備(コンロ・オーブン等)をタグ付けできる
  • 月ごとの予定メニューをカレンダーで管理できる
  • スタッフが複数人で共有して使える

これをLovableで実装したとき、プロンプトのやり取りは合計で20〜30回ほど。生成から動作確認まで含めて丸1日かからなかった、とのことだ。

Supabaseとの連携を有効にしたことで、データは永続化され複数人での同時利用も問題なく動いた。

主な機能

Supabase統合

LovableとSupabaseを接続すると、テーブルの作成からRLSポリシーの設定まで、AIが自動的に構成してくれる。「ユーザーごとにデータを分けて管理して」と言うだけで、認証と権限管理が動く状態で出てくる。

ビジュアルエディタ

コードを直接書かなくても、ビジュアルな形でレイアウトを調整できる機能がある。AIで生成した後、細かいUIの調整は直感的な操作でできるため、デザイナーが自分で修正しやすい環境が整っている。

GitHub連携

生成されたコードはGitHubリポジトリに自動でプッシュされる設定が可能で、後からClaude Codeや手書きのコードで続きを書くことができる。プロトタイプから本番への移行パスが用意されている。

Bolt.newとの違い

両方を使って感じた違いをまとめると、こうなる。

Bolt.newはスピードと技術スタックの柔軟性が強み。ReactやNext.jsだけでなくAstroやRemixなども選べる。生成したコードをすぐにローカルで触れる設計で、エンジニアが下地として使う用途に向いている。

LovableはUIの完成度とSupabase連携の深さが強み。エンジニアでない人が「本番に近いものを作る」用途に向いており、フォームの細部やUIコンポーネントの整え方が洗練されている。

「速く動くものを出すならBolt.new、見た目がいいものを作るならLovable」という感覚が実際に使ってみたときの印象に近い。

料金

無料プランは月5プロジェクトまで作成可能で、試すには十分だ。Starterプランは月25ドル程度で、メッセージ数とプロジェクト数が増える。本番利用ならProプランを検討することになる。

注意点

Lovableで生成されたアプリは美しく見えるが、内部のコードが一見複雑になっていることがある。特に後からエンジニアが引き継いで改修する場合、AIが生成したコードの構造を把握するのに時間がかかることがある。プロトタイプから始まって本番に育てていく場合は、あらかじめコードの引き継ぎを想定したプロジェクト管理が必要だ。

まとめ

Lovableは、コードを書かずに本格的なWebアプリを作れるAIビルダーの中でも、UIの仕上がりとSupabase連携の点で一歩抜けている。エンジニアでないスタッフが業務ツールを自作する用途や、デザイナーが自分でプロトタイプを作る用途に特に向いている。キッチンメーカーのメニュー管理アプリのように、内部向けの業務ツールをゼロから作るのに向いたツールだ。