2026年5月のGoogle Workspaceアップデートは、AI「Gemini」の統合が随所に光る内容でした。単なる機能追加というより、「自分でフォーマットを作る時代」から「AIに文脈を読み取らせてその都度生成する時代」への移行を実感させるものが揃っています。
今回は便利な新機能6点と、Geminiと連携した次世代活用法3点の計9点を解説します。
前半:今すぐ使える便利な新機能6選
1. Google MeetがApple CarPlayに対応
運転中でもCarPlay経由でMeetのスケジュールにクイックアクセスできるようになりました。安全面の配慮から運転中は音声のみの参加となりますが、移動が多いビジネスパーソンには地味に便利な変更です。
車内での会議参加が当たり前になる時代の入り口、という感じがします。
2. GoogleチャットがMicrosoftアカウントとも連携
これまでGoogleアカウントを持つユーザー同士でしか使えなかったGoogleチャットが、Microsoftアカウントなど外部ユーザーとの連携に対応しました。
招待された側はメールから会話に参加できるので、取引先がMicrosoft 365ユーザーでもツールを乗り換えずにやり取りができます。ツール間の壁が少しずつ薄くなってきています。
3. GeminiのUIからファイルを直接作成・エクスポート
Geminiのインターフェース上で、以下のファイルを直接作成してエクスポートできるようになりました。
- Googleドキュメント
- スプレッドシート
- スライド
- Word(.docx)
- Excel(.xlsx)
これまでは「Geminiで生成→コピペ→アプリで整形」という手順が必要でしたが、Gemini上で完結します。地味な変更に見えて、毎日使うと積み重ねでかなりの時短になります。
4. Google Vidsでカスタムアバターが作成可能に
生成AIによるカスタムアバター機能が追加されました。テキストベースで年齢・人種・スタイルなどを指定でき、会社のロゴなども配置して公式感のある動画を手軽に生成できます。
顔出しなしで会社の雰囲気が伝わるコンテンツを量産できるので、採用動画や社内研修コンテンツの制作コストはかなり下がりそうです。
5. VidsからYouTubeへ直接エクスポート
編集した動画をダウンロードすることなく、そのままYouTubeスタジオへ直接アップロードできるようになりました。
ファイルをダウンロードしてYouTubeへ手動アップという手間がなくなるので、動画コンテンツを定期的に出している人には嬉しい変更です。
6. Workspace StudioにGeminiが統合
自動化ツール「Workspace Studio」にGeminiが組み込まれ、以下のようなワークフローをノーコードで構築できるようになりました。
- メールの自動要約と緊急度の判断
- 重要度に応じたチャットへの自動通知
- 対応が必要なアクションの自動仕分け
これまで人が目を通してから判断していた情報整理を、AIが先に分類してくれるイメージです。受信トレイが溢れている人には特に効きそうです。
後半:GeminiとWorkspaceの次世代活用法3選
7. ドキュメント×Gemini——過去データを読んで新文書を生成
既存のドキュメント(契約書・提案書など)のフォーマットやスタイルをGeminiに学習させ、同じトーン・構成の新しい文書を自動作成できるようになりました。
注目したいのが「提案モード」です。Geminiがドキュメント上で直接修正案を提示し、承認・却下をワンクリックで選べます。赤入れをAIがやって人間が最終判断するという流れは、校正作業の感覚をかなり変えてくれます。
8. スプレッドシート×Gemini——Build機能でダッシュボードを自動構築
「このデータからダッシュボードを作って」と自然言語で指示するだけで、Geminiが関数の組み込み・グラフの作成・条件付き書式の設定まで一気にやってくれます。
スプレッドシートが苦手なメンバーでもデータ分析の入口に立てるようになるのは、チーム全体で見ると大きな変化です。
9. ドライブ×Gemini——Ask Gemini in Driveでファイルを開かずに回答を得る
Googleドライブ内に特化したGeminiが登場しました。ファイルを開かなくても、ドライブ上で直接プロジェクトの進捗確認や、担当者へのリマインドメール・チャットメッセージの作成ができます。
ドライブがただのストレージではなく、AIが常駐するナレッジベースとして機能するイメージです。複数ファイルを横断して情報を照合してくれるのも便利です。
まとめ
今回のアップデート全体を通じて感じるのは、「人間がAIに何を指示するか」が成果の質を決める構造がより強くなっているということです。
Geminiがドキュメントを作り、スプレッドシートを組み、ドライブを整理してくれる時代において、曖昧な指示を排除して具体的に伝える力がますます問われます。「いい感じにして」ではなく「ターゲットはXで、目的はYで、トーンはZ」と伝えられる人が、AIを使いこなせる人になっていきます。
まず試すなら、GeminiのファイルエクスポートとスプレッドシートのBuild機能あたりから触ってみるのがおすすめです。