MakeはZapierと同じ自動化ツールだが、もう少し細かい制御ができる。ClaudeのAPIを組み合わせると、「メールが届いたら要約してSlackに投稿する」「フォームに入力されたら内容を整形してスプレッドシートに書く」といった処理を、コードを一行も書かずに実現できる。

Makeの基本概念を3分で理解する

Makeはシナリオと呼ばれるフロー単位で動く。シナリオは「トリガー」と「アクション」の組み合わせで構成される。

トリガーは「何かが起きたとき」を定義する部分で、例えば「Gmailに新しいメールが届いたとき」「Googleフォームに回答が送信されたとき」といった起点になる。アクションはトリガーが発火したあとに何をするかで、「SlackにメッセージをPostする」「スプレッドシートに行を追加する」などが代表的だ。

Makeの強みは、このトリガーとアクションの間に変数処理や条件分岐を挟める柔軟性だ。Zapierが「AをしたらBをする」という直線的なフローに向いているのに対し、Makeは「AをしたらCを計算して、Cが一定以上ならBをして、それ以外はDをする」という複雑な処理も組める。

ClaudeのAPIをMakeで呼び出す手順

MakeでClaudeを使うには、HTTPモジュールを使ってAnthropicのAPIを直接叩く。専用のMakeモジュールは現時点では存在しないが、HTTPリクエストの設定はそれほど難しくない。

設定の流れは以下のとおりだ。

まずAnthropicの管理画面でAPIキーを発行する。MakeのシナリオにHTTPモジュールを追加して、URLにhttps://api.anthropic.com/v1/messagesを設定する。ヘッダーにはx-api-keyにAPIキーを、anthropic-version2023-06-01を入れる。BodyはJSON形式で、modelとmessagesを指定する。

{
  "model": "claude-opus-4-5",
  "max_tokens": 1024,
  "messages": [
    {
      "role": "user",
      "content": "{{前のステップのデータ}}"
    }
  ]
}

この設定で、前のステップから受け取ったテキストをClaudeに渡して、レスポンスを次のステップに引き渡せるようになる。

実用的なシナリオ例:問い合わせメールの自動整理

士業事務所やサービス業で使いやすいシナリオが、問い合わせメールの自動整理だ。

流れはこうなる。Gmailに問い合わせメールが届く → Makeがトリガーを検知 → メール本文をClaudeに渡して「問い合わせ内容を50字で要約し、カテゴリ(税務相談/労務相談/その他)を判定してJSONで返して」と指示 → Claudeの出力をパース → スプレッドシートの対応ログに追加 → Slackに「新しい問い合わせが届いた」と通知。

これを設定すると、担当者はSlackで通知を受け取り、スプレッドシートを開けば問い合わせの概要とカテゴリが整理された状態で確認できる。メールを一通ずつ読んで分類していた作業がほぼゼロになる。

実用的なシナリオ例:コンテンツ制作の下書き生成

サブスク動画サービスのマーケティング担当向けのシナリオとして、SNS投稿の下書き自動生成もよく使われる。

Googleスプレッドシートに「新着コンテンツ一覧」を更新すると、Makeがそれをトリガーに拾い、Claudeに「このコンテンツのタイトルと概要からTwitterとInstagramの投稿文を各140字で作って」と依頼し、出力を別のスプレッドシートに追加する、というフローだ。

下書きをそのまま使えるわけではないが、ゼロから書く手間と比べると大幅に時間が削れる。

Makeの無料プランと費用感

無料プランでは月1000オペレーション(モジュールの処理回数)が使える。問い合わせメールが月50件程度なら、1フロー5モジュール計算でも250オペレーションに収まり、無料で回せる。

オペレーション数が足りなくなったら、Core(月$10.59〜)プランにアップグレードする。Claudeのトークン費用は別途Anthropicに支払うが、軽いタスクなら月数百円程度に収まることが多い。

Makeを使い始める前に知っておくべきこと

Makeはビジュアルで直感的に見えるが、複雑なシナリオを組むには多少の慣れが必要だ。最初は「既存のテンプレートを使って動かしてみる」ことから始めて、構造を理解してから独自のシナリオを作るのが近道だ。

Claudeとの組み合わせで一番失敗しやすいのは、プロンプトの品質だ。Makeのシナリオとして自動実行されるため、Claudeへの指示が曖昧だと出力が安定しない。事前にAnthropicのPlaygroundでプロンプトを十分に検証してから、Makeに組み込む順序で進める方が結果が安定する。